vol.12じゃがいも

これぞ、畑ごはん!
「コロッケ」パーティーで盛り上がる

自分が作ったお野菜を、自分で収穫して、その場でお料理をする。そして、お日様の下で、みんなでわいわい語らいながら味わう。これこそ「畑ごはん」の醍醐味です。その中でも一番楽しいのが、実は冬場の畑ごはんです。想像してみてください。たき火をしながら、その周りに座って、暖かい野菜スープをすすりながら、作りたてでアツアツのお料理をいただくなんて、これ以上の贅沢はないですよね。
今回は、そんなときに盛り上がること間違いなしのレシピをご紹介しましょう。それは、じゃがいものコロッケ3種類! 大人も子どもも大好きな畑ごはんの代表格です。お庭に集まってパーティーをするときにもピッタリのコロッケ。ぜひお試しください。

収穫物~今日の収穫物~
じゃがいも

~今日のレシピ~
ひき肉と玉ねぎの”Theコロッケ”
すき焼き風”和”コロッケ
“かに&じゃが”クリームコロッケ

レシピ1:ひき肉と玉ねぎの”Theコロッケ”

「ひき肉コロッケ」はみんなの大好物。コロッケの中のコロッケ、”The コロッケ”とも言うべきお料理です。いわゆるお肉屋さんのコロッケですが、これを手作りしてみませんか?
ポイントは、わが家ならではの”ふんわりサクッ”を目指した柔らかめの生地。自分で育てたじゃがいもを使えば、手作り感も美味しさも倍増すること間違いなしです。たっぷり作って楽しみましょう。

<材 料>(材料は3~4人分です)
じゃがいも・・・大4個
豚ひき肉・・・150g
玉ねぎ・・・中1/2個
バター・・・大さじ1
牛乳、塩、こしょう・・・適宜
小麦粉、とき卵、パン粉・・・適宜
揚げ油・・・適宜

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<つくり方>
1.玉ねぎをみじん切りにして、バター大さじ1をフライパンに落として炒めます。
オリーブオイルを使ってもいいのですが、「じゃがバター」の美味しさでもわかるように、じゃがいもとバターの相性はバツグンですから、ここはバターを使います。
2.豚ひき肉を加え、塩、こしょうで味を調えます。
3.じゃがいもは皮を剥き、芽を取ってから茹でやすい大きさに切って竹串が通るまで茹でます。
4.じゃがいもが茹で上がったら、ポテトマッシャーでつぶしてマッシュポテトを作ります。
5.マッシュポテトに②を加えて混ぜ、好みのなめらかさになるよう、牛乳を少しずつ加えます。
6.直径4㎝くらいのボール型に丸め、小麦粉→とき卵→パン粉の順に衣を付け、160~180℃の油で揚げます。
7.きつね色になったら出来上がりです。

レシピ2 :すき焼き風”和”コロッケ

ある日、すき焼きの残りの具をベースにポテトサラダを作ってみたら、なんて美味!!
そのポテサラをフライにしてみたら、これまた美味しい和風コロッケが完成しました。この経験を参考にして出来上がったのが今回のレシピです。いちから作ると具を煮込むのに少々時間と手間がかかりますが、それだけの価値があります。すき焼きをした翌日ならもっと簡単。余った具を使って和風コロッケメニューに変身させてみませんか?
ソースは付けずにそのままお召し上がりいただける一品です。ご飯のおかずにも、ビールのおつまみにもなりますよ。

<材 料>(材料は3~4人分です)
じゃがいも・・・大4個(レシピ1同様、マッシュポテトにします)
干しいたけ・・・5枚
砂糖・・・​小さじ1
玉ねぎ・・・​大1/2個
厚あげ​・・・1丁
すき焼きのたれ​・・・50cc
水​・・・50cc
小麦粉、とき卵、パン粉・・・適宜
揚げ油・・・適宜

301

<つくり方>

  1. 干しいたけはぬるま湯でもどしておきます。ぬるま湯は干しいたけが浸かるくらい。砂糖小さじ1加えておくとふっくらともどります。
  2. 玉ねぎはくし切り、厚あげはひと口大のサイズに切ります。
  3. 干しいたけと玉ねぎを、しいたけのもどし汁でもどし汁がなくなるまで煮ます。
  4. 厚あげを加え、すき焼きのたれ50cc、水50ccを加え、さらに汁がなくなるまで煮ます。
  5. 冷めたら、みじん切りにします。
  6. マッシュポテトに(5)を加えて混ぜ、好みの味となめらかさになるよう、すき焼きのたれ(分量外)で調整します
  7. レシピ1同様に丸めて衣をつけたら、油で揚げて出来上がりです。

レシピ3 :”かに&じゃが”クリームコロッケ

洋食レストランの「かにクリームクロケット」をご家庭の味にするには……。と考えて、マッシュポテトとホワイトソースを合体させてみたのがこのレシピ。マッシュポテトを加えることで、まとまりやすくなる上に、クリーミーでやさしい味のコロッケの完成です。今回はタルタルソースを添えてみました。ここだけの話ですが、男性はなぜか皆さんタルタル好き(笑)。
ぜひ、ひと手間かけて、手作りしてみませんか? この季節、牡蠣フライにもぴったりです。

<材 料>(材料は3~4人分です)
じゃがいも・・・大4個(レシピ1同様、マッシュポテトにします)
かに缶・・・1缶
玉ねぎ・・・中1/2個
バター・・・大さじ1
小麦粉・・・大さじ3
お湯・・・50cc
牛乳・・・150cc
コンソメ・・・1つ(スティックなら1袋)
塩、こしょう・・・適宜
小麦粉、とき卵、パン粉・・・適宜
揚げ油・・・適宜

<つくり方>

  1. 玉ねぎをみじん切りにしてバター大さじ1と一緒にフライパンを加熱します。
  2. バターが溶けたら、小麦粉大さじ3を加え、全体に混ざったらお湯50ccを加え、すかさず泡立て器でかき混ぜます。
  3. 牛乳150ccとコンソメ1袋、かに缶を汁ごと加えます。
  4. 煮立ったらとろみがつくまでかき混ぜながら加熱して、その後ボウルやバットに移して冷やしておきます。
  5. マッシュポテトに(4)を加えて混ぜ、まとまりやすい固さになるよう、必要に応じて冷蔵庫で冷やします。
  6. レシピ1同様に衣をつけたら油で揚げて出来上がりです。

おまけレシピ:タルタルソース

<材 料>
玉ねぎ・・・小1/2個
ピクルス・・・2~3本
ゆで卵・・・2個
マヨネーズ・・・大さじ3~4
粒マスタード・・・大さじ1

<つくり方>

  1. 玉ねぎは細かめのみじん切りにした後、水にさらして辛みを抜いておきます。
  2. ピクルスも細かめのみじん切りにします。
  3. ゆで卵はフォークを使ってつぶしておきます。
    (この方法だと、まな板の上でみじん切りにするよりも素早くラクにカットできます)
  4. (1)~(3)をボウルに入れ、マヨネーズ、粒マスタードを加えて混ぜたら出来上がりです。

手塩にかけたお野菜で、畑ごはんをもっと楽しく

今年も本格的な冬将軍の季節がやって来ました。旧暦でも12月7日が「大雪」(たいせつ)、12月21日が「冬至」ですから、まさしく冬本番ですね。ここからしばらくは、畑作業は雪や霜対策ということになります。白菜や大根などの冬野菜たちも、ナスやトマトなどの夏野菜に比べれば寒さには強いのですが、さすがに雪や霜で凍りついてしまえばダメになってしまいます。
今年は、11月の積雪を予測できず、じゃがいもの葉がほぼすべて傷んでしまいました。掘り起こしてみたところなんとかお芋たちは無事でしたが、まさに危機一髪の状態でした。やはり先行きの天気を読んで備えておかなくては、とふか~く反省しました。やはり野菜づくりはお天道様次第ですね。
さて、今回は「畑ごはん」の最終回です。これまで、私の拙い連載を読んでくださった皆さま、ありがとうございました。この連載がきっかけで野菜づくりにトライする人が増えればとてもうれしいです。皆様がご自身のお庭や菜園でお野菜を育てて、これまでとはひと味違うご自分だけのひと皿を作れますように。

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vol.11里芋&さつまいも

“滋味”あふれる「おいも料理」に憩う

11月というと秋のイメージがありますが、11月7日が「立冬」(りっとう)と言うように、旧暦では、実はこの日から来年の立春までが冬なんです。秋はいつの間に去って、冬が来ていたんですね。そういえば、朝晩に冷え込むことも多くなり、これからは霜が降りることも日に日に増えてきます。畑の野菜たちにとっては寒く厳しい季節の到来です。大根や白菜などは冬野菜と言われますが、それでもやはり霜や寒さへの備えはしておかなくてはいけません。時には防虫ネットに不織布などを重ねて対策をしてあげる必要も出てきます。

そんな中、秋に芋掘りをして保管しておいた”おいも”たちは、日に日に寒くなるこの季節にますます美味しく楽しめる食材。今回は、その中でも、里芋とさつまいも、2つの”おいも”のレシピを紹介しましょう。土の栄養を吸収して美味しく育ってくれた”おいも”たちの滋養をいただけば、身体も心もほっこりと温まってきますよ。

収穫物~今日の収穫物 (10月に収穫したものの追熟)~
里芋、さつまいも

~今日のレシピ~
里芋ときのこの”ねっとり”グラタン
里芋の”ぬるぬる”あえ
“爽やか”スイートポテトサラダ

レシピ1:里芋ときのこの”ねっとり”グラタン

里芋は”おいも”たちの中では少し地味な存在かもしれませんが、和食の世界では、”おいも”の二大エース「じゃがいも」や「さつまいも」よりもむしろ目立つ食材かもしれません。ここでは、和のイメージの強い里芋で、グラタンを作ってみましょう。主役の里芋を引き立てるのは、秋の味覚のきのこと長ねぎと味噌という和テイストの食材たち。さらに、今回はホワイトソースに牛乳ではなく、豆乳を使ってより「あっさり」に仕上げてみました。もう少しボリューム感とコクが欲しい方は、牛乳を使ったり、ホワイトソースに溶けるチーズをプラスしたりしてみてください。こうすると、和風から和洋折衷の味へと近づいてきます。

<材 料>(材料は3~4人分です)
里芋・・・大3個
しいたけ・・・5個
しめじ・・・1パック
舞茸・・・1パック
長ねぎ・・・1本
豆乳・・・300cc
コンソメ・・・1つ(スティックなら1袋)
味噌・・・大さじ1
小麦粉・・・大さじ2と1/2
オリーブオイル・・・大さじ1
日本酒・・・大さじ1
塩、パン粉、粉チーズ・・・適宜

301

<つくり方>
1.大きめの里芋を、さいの目切りにして使います。まず里芋は、たわしなどで汚れをこそぎ落としてから皮が付いたまま蒸します(または茹でます)。
2.竹串が通るようになったら、熱いうちに布巾を使ってつるりと皮を剥きます。
3.大きさ1.5センチ角くらいのさいの目切りにします。
4.切った里芋に大さじ1の日本酒をふっておきます。こうすると、ぬるぬるの里芋がくっつきにくくなります。
5.しいたけは石づきを取って細切りに、しめじも石づきを取ってから房を分けます。
6.舞茸は食べやすく小分けにしてからサッと茹でておきます。舞茸にはたんぱく質分解酵素が含まれているため、茹でておかないと、この後作るホワイトソースが固まらずに分離してしまいます。
7.ここからはホワイトソースを作ります。まず長ねぎを小口切りにしてフライパンにオリーブオイルを大さじ1、塩をひとつまみ入れて弱火でゆっくりと炒めます。
8.長ねぎが透き通ったら小麦粉を長ねぎにまぶす感じで加えます。
9.コンソメをお湯に溶かし、フライパンに一気に注いだら、すかさず泡立て器で小麦粉を溶かすイメージでかき混ぜます。
10.小麦粉の固まりが見えなくなり、少しとろみがついたら、豆乳(または牛乳)を注ぎ、きのこ類、味噌を加えて、さらにとろみが強くなるように、かき混ぜながら火を通します。溶けるチーズを足す場合はこの段階で入れます。
11.グラタン皿に入れて、パン粉、粉チーズをふり、オーブンで焼き色がつくまで火を入れたら出来上がりです。

レシピ2 :里芋の”ぬるぬる”あえ

掘ったときの里芋がどんな形になっているか見たことはありますか?
大きな親芋のまわりにコロコロと可愛い子芋がつながっている感じで、まるで家族みたいです。スーパーでも「親芋」と書かれて大きな里芋が売られているところをよく見かけます。このレシピでは、大きな親芋ではなく、小さな丸い子芋の方を使ってあえものを作ってみましょう。輪切りにした里芋と、つぶしてぬるぬるのあえ衣にした里芋のハーモニーが楽しめる、大人のための”おつな”一品です。

<材 料>(材料は2人分です)
里芋・・・小10個
味噌・・・大さじ1.5
砂糖・・・​大さじ1.5
白すりごま・・・​大さじ4
めんつゆ​・・・大さじ1
お湯・・・大さじ1

301

<つくり方>

  1. 里芋(子芋)は、たわしなどで汚れをこそぎ洗いをしてから皮のまま蒸します(または茹でます)。
  2. 竹串が通ったら、熱いうちに布巾を使ってつるりと皮を剥きます。
  3. 半量は輪切りに、半量はつぶします。
  4. つぶした里芋に、味噌、砂糖、白すりごま、お湯を加えてよく混ぜ、ぬるぬるのあえ衣を作ります。
  5. 輪切りにした里芋とあえ衣を合わせたら出来上がりです。

レシピ3 :”爽やか”スイートポテトサラダ

さて、今度はさつまいもを使ったもう一品をご紹介します。じゃがいものサラダが「ポテサラ」ですが、さつまいものサラダは「スイートポテサラ」とでも呼べばいいでしょうか?(笑)
ここでは、りんごと干しぶどうを使った、まるでスイーツのように味わえるスイートポテサラを作ってみましょう。りんごの爽やかな酸味と干しぶどうの甘酸っぱさが、さつまいものやさしい甘さと絶妙のコンビネーションを発揮してくれます。さつまいもはビタミンCたっぷり、食物繊維たっぷりの嬉しい美容食ですから、お茶うけとしても召し上がってくださいね。

<材 料>(材料は3~4人分です)
さつまいも・・・400g
りんご・・・1個
干しぶどう・・・大さじ3
マヨネーズ・・・大さじ3
豆乳または牛乳・・・適宜
塩・・・ひとつまみ

<つくり方>

  1. さつまいもは皮付きのまま厚めの輪切りにして茹でます。
  2. 干しぶどうはお湯に浸して柔らかくしておきます。
  3. りんごは1/4にカットしたものをさらに1/3の薄さにしてから、いちょう切りにして塩水に放っておきます。
  4. さつまいもに竹串が通ったら熱いうちに皮を剥きポテトマッシャーでつぶします。
  5. つぶしたさつまいもにマヨネーズを加え、豆乳(牛乳)で好みの柔らかさに調整します。
  6. 塩をひとつまみ入れて、甘さの調整をします。(塩をひとつまみ加えることでより甘さが強調されます)
  7. さつまいもに水分を切った干しぶどうとりんごを加え、ざっくりと混ぜ合わせれば出来上がりです。

寒くなっても、畑仕事はまだまだ続きます

11月の畑では大根や白菜たちがすくすくと育ってくれています。どちらも緑がとってもきれいでなかなか気持ちのいいものです。この時期に大事な畑仕事が「間引き」作業です。一般的に、大根の種の場合だと、1カ所に2~3粒蒔くので、だんだん育ってくると葉が密集してしまい、土から吸収する栄養も太陽の光も奪い合いになってしまいます。根も深く太く育っていきますから、どこかの段階で間引きをしなくてはいけません。
間引きというと無駄なように思うかもしれませんが、間引いたものを美味しくいただきますので、実は無駄がありません。「間引き菜」という言葉があるくらいです。
また、この時期「間引き」と並んで、大切な畑仕事が「種取り」です。夏から秋に獲れた野菜の中で状態がいいものの種を取って保存しておきます。すべての種が使えるわけではありませんが、その畑で丈夫に美味しく育った野菜は次の年にも丈夫で美味しい野菜になってくれる可能性があります。だんだんその土地に馴染んでくるのでしょうか。私たちの畑では毎年立派なパプリカが育ってくれるようになりました。
「間引き」と「種取り」、どちらも地道な畑仕事ですが、美味しい野菜をいただくためには欠かせない大切な作業です。ぜひ、皆さんの菜園でも試してみてはいかがでしょうか。

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vol.10かぼちゃ

かぼちゃの”秋昧”レシピでハロウィン!

「天高く馬肥ゆる秋」――10月になると、つい、こうつぶやいてしまいます。空が高く青く晴れ渡ることも多くてとても気持ちのいい季節。畑にもトンボが飛んで来て、秋の深まりを告げているようです。
そんな10月の行事と言えば、今ではハロウィンを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。10月31日の夜に、思い思いの仮装をして街中に繰り出す若者たちの一大イベントという感じになっていますが、もともとは古代ケルト人の秋の祭りから始まったと言われているそうです。それが、キリスト教の「万聖節」の前夜を祝う祭になったとか……。
ハロウィンに付きものなのが「ジャック・オー・ランタン」という、かぼちゃをくり抜いて作った魔除けの提灯です。日本でも10月は今やかぼちゃの季節。町のあちらこちらで、かぼちゃのお菓子が目に付くようになってきました。
ということで、今月は、かぼちゃを使ったレシピをご紹介しましょう。かぼちゃは収穫してすぐに食べずに”追熟”といって、しばらく置いておくと甘みが強くなります。8月の終わりに収穫したものは10月になるとちょうど食べ頃。甘くてほくほくして、いろいろなシーンで活躍してくれるとても便利な”実もの”野菜ですね。しかも、体内でビタミンAに変わってくれるβカロテンがたっぷり含まれているので、美肌や目にもいいそうです。美味しくて身体にもいい、かぼちゃづくしのハロウィン・パーティーなんて、なんだか素敵じゃありませんか?

収穫物~今日の収穫物~
かぼちゃ

~今日のレシピ(材料はすべて3~4人分です)~
かぼちゃの”ころころ”コロッケ
かぼちゃと鮭としめじの”秋味”パスタ
スイート”×2″パンプキン

レシピ1 :かぼちゃの”ころころ”コロッケ

まん丸でかわいいかぼちゃのコロッケは、やさしい甘さとサクサクの衣が絶妙のハーモニーを奏でてくれます。コンソメを入れて茹でたかぼちゃの餡には下味がついているので、そのまま何もかけずにサクッと召し上がってくださいね。ハロウィン・パーティー向けに、ちょっと楽しい細工をした楊枝を添えれば、大人も子どももついつい手が伸びてしまう一品になります。

<材 料>
かぼちゃ(正味)・・・500g
玉ねぎ・・・大玉1/2個
コンソメ・・・1つ(スティックなら1袋)
塩、胡椒・・・適宜
牛乳、バター・・・適宜
衣=小麦粉、卵、パン粉・・・適宜
揚げ油・・・適宜

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<つくり方>
1.かぼちゃは種とワタを取って皮を削ぎます。この時、1/3くらい皮を残しておくと、コロッケを割った時に緑色が見えてキレイに仕上がります。
 ※かぼちゃの重さはこの状態で500gです。
2.お鍋にかぼちゃを入れ、ひたひたにかぶるくらいに水を注ぎ、コンソメを1つ入れたら茹でます。
3.蓋をしないで水分がなくなるまで茹でたら、かぼちゃをマッシャーで潰します。
4.玉ねぎはみじん切りにしてバターで炒めておきます。
5.かぼちゃと玉ねぎを合わせ、塩、胡椒で味を調えます。
6.粗熱が取れたら、直径4センチくらいのまん丸に丸めてコロッケの餡の部分を作ります。
 ※この時、かぼちゃの水分によって、お好みの柔らかさに牛乳を足して調整しましょう。
7.かぼちゃの餡に小麦粉、とき卵、パン粉の順に衣をつけ、180℃の脂できつね色になるまで揚げて出来がり。

レシピ2 :かぼちゃと鮭としめじの”秋味”パスタ

今回は、もう一品、かぼちゃを使ったお手軽パスタを紹介しましょう。その名も「かぼちゃと鮭としめじの”秋味”パスタ」です。鮭は秋を代表する食材なので本当なら生のものを使いたいところですが、ここはササッとできること優先で鮭缶を使ってしまいましょう。缶詰の鮭とはいえ侮ることなかれ。缶詰は旬の美味しさと栄養をそのまま閉じ込めているのでけっこう美味しいんです。かぼちゃの甘みと鮭の濃厚な旨みが絡み合って、とても美味しい一品ができます。

<材 料>
パスタ・・・300g
かぼちゃ・・・​400g
鮭缶・・・​180gのもの1缶
しめじ・・・​2パック
クリームチーズ​・・・100g
オリーブオイル・・・​大さじ3
塩・・・適宜
牛乳・・・適宜
黒胡椒・・・適宜
パルメザンチーズ・・・​適宜

301

<つくり方>

  1. かぼちゃは種とワタを取って皮を削ぎます。厚さ1.5センチくらいになるように切り分けて、レンジで5分(600W)、温めておきます。
    ※かぼちゃの重さはこの状態で200gです。
  2. しめじは、いしづきを落として、適度な大きさにほぐし分けておきます。
  3. <1>、<2>が終わったらお湯を沸かし、パスタを茹で始めます。
  4. パスタを茹でている間に、フライパンにオリーブオイル大さじ2を入れ熱してからしめじを入れて、塩をひとつまみ入れて炒めます。
  5. ここにクリームチーズを切ったものを入れます。チーズが焦げないように牛乳を適量入れながら炒めます。
  6. ソース状になったところに、鮭缶の中身を粗くほぐしながら入れて熱します。さらにレンジで温めたかぼちゃを加えてソースに絡めます。塩と黒胡椒で味を調えます。
  7. 最後に茹で上がったパスタを入れて、軽く和えます。ゆで汁でからみ具合を調整。お皿に盛ったら、パルメザンチーズをたっぷりふって出来上がりです。

おまけレシピ:かぼちゃと鮭としめじのスパニッシュ風オムレツ

今回ご紹介したパスタソースでスパニッシュ風オムレツもできます。卵を溶いてパルメザンチーズを足したら、パスタソースと混ぜてから焼くだけ。とても簡単なので、パスタソースが余ったら、ぜひ試してみてくださいね。

<材 料・4人分>
かぼちゃ・・・100g
鮭缶・・・90gのもの1/2缶
しめじ・・・1/2パック
卵・・・3個
クリームチーズ・・・25g
オリーブオイル・・・大さじ1
塩・・・適宜
牛乳・・・適宜
黒胡椒・・・適宜
パルメザンチーズ・・・適宜

レシピ3:スイート”×2″パンプキン

ハロウィン・パーティーのデザートには、スイートポテトならぬ、スイートパンプキンを作ってみませんか?
美味しいかぼちゃに遭遇すると、さつまいもにも負けない甘い甘い、スイート“×2”パンプキンができますよ。
今回は畑へ雑草取りのお手伝いに来てくださった、元パティシェの“ゆきちゃん”オリジナルのレシピをご紹介しましょう。さすが元パティシェ。簡単にできて、とびきり美味しいかぼちゃのスイーツを考えてくれました。

<材 料>
かぼちゃ(正味)・・・400g
バター(有塩)・・・30g
てんさい糖(普通のお砂糖でも可)・・・40g
牛乳・・・適宜
卵黄(つや出し用)・・・1個分

<つくり方>

  1. かぼちゃは種とワタを取って皮を削ぎます。※かぼちゃの重さはこの状態で400gです。
  2. かぼちゃは、すっと竹串が通るまで茹でます。
  3. 茹でたかぼちゃを裏ごしします。
    ※写真のように目が細かいザルをボウルの上に重ね、へらやすりこぎ棒で潰しながら漉すと、ラクに裏漉しできます。
  4. かぼちゃがまだ熱いうちにバターとてんさい糖を加えて混ぜます。
  5. かぼちゃの水分によってお好みの滑らかさになるまで牛乳を加えます。
  6. カップに入れて表面につや出し用の卵黄を塗ります。
  7. オーブントースターで焼き色を付けて(焦げ目がつくまで)出来上がりです。

畑の秋も深まってきました

今、畑ではダイコン、白菜、カブなどなど、冬の野菜たちの準備を急いでいます。今年の9月の長雨でかなり遅れ気味なので少し焦り気味です(笑)。これらの野菜はスーパーに行けばいつでも手に入りますが、やはり寒いときがいちばん美味しいと感じます。自分で野菜を作るようになってからは、特にその感覚が強くなってきました。旬のものを旬の時に食べながら季節の移り変わりを味わえたら素敵だと思っています。
さて、そんな冬野菜たちですが、ダイコン、白菜、カブ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、小松菜、チンゲン菜など……、主役級はなんとぜーんぶアブラナ科。菜の花と同じ種類の野菜なんです。その証拠に春の菜の花の時期になれば、黄色や白のきれいな花を咲かせてくれます。
美味しくて、きれいなんて、いいことづくしのように思えますが、いいことばかりじゃありません。このアブラナ科、虫たちの大好物でもあります。もし菜園にちょうちょが飛んできたら要注意です。いつ何時卵を産みつけられるかわかりません。こういう虫たちを寄せ付けないように、不織布や防虫ネットでしっかり覆うことをオススメします。どちらも手頃な大きさのものが100円ショップでも簡単に手に入ります。ベランダやお庭で種を蒔いたり、苗を植えたりしたときにはぜひ覆ってみてください。効果は絶大ですよ。

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vol.9バジル&トマト

“彩り鮮やか”バジルソース&トマトソース

まだまだ暑さが残る9月、秋も半ばと言われてもなかなかピンと来ないかもしれません。でも、今年は9月15日が「中秋の名月」ですし、22日は「秋分の日」というように、9月のカレンダーを見ると「秋」の一文字があちらこちらに見えています。秋というといつの間にか通り過ぎていく感がありますが、暦の上では実はいまが秋の本番です。暑さ寒さも彼岸まで。この時期を境にぐっと涼しくなってきますから、体調を崩さないように備えておきたいところですね。
さて、畑の方はというと、秋の気配を感じたのか、放置していたサボテンの花が咲こうとしています。野菜も入れ替わりの時期です。きゅうりやなすなど、夏野菜の中でも終わりを迎えるものも出てきます。ここからは、ダイコンやにんじん、白菜、きゃべつ、ブロッコリーなどなど……、根菜や葉物を中心に秋冬野菜の準備をする季節です。涼しくなるから畑仕事もはかどります。
そんな中、夏野菜たちもしぶとく生き残っています。例えばバジルとトマトがそうです。種まきの季節を調整したり、上手に育てたりすると、秋になってもまだまだ元気。バジルは少し遅い時期に種をまけば10月の少し寒い季節まで収穫ができますし、夏野菜の代表格のトマトは秋になると二回目のピークを迎えてくれます。トマトは可愛く見えて、雑草にも負けない強くたくましい野菜なんです。
バジルもトマトも問題なのは一度にどっさり採れてしまうこと。冷蔵庫には入りきらないし、どうしようと困ってしまうことがよくあります。今回は、こんなお悩みを解消します。バジルとトマトを使って、彩りも鮮やかな2つのソースと、それを使ったお手軽イタリアンを紹介しましょう。2つのソースは小分けにして冷凍すればストックソースとして常備できますからとっても便利ですよ。

収穫物
~今日の収穫物~
バジル、ミニトマト

~今日のレシピ(材料はすべて3~4人分です)~
“緑の彩り”バジルソース
“赤が鮮やか”トマトソース
“バジル&トマトの“ミニミニ”ピザ

レシピ1 :“緑の彩り”バジルソース

まずは夏の定番ハーブ、バジルを使ったソースを紹介しましょう。このソースがあれば、いつものサラダやソテーに少しかけるだけで、“彩り豊かな”イタリアンメニューに大変身! ソースを冷蔵庫でストックしておけば必要な時にいつでも使えてとっても便利です。
よくあるレシピでは生のバジルを使いますが、ここではサッと湯通ししてからソースを作ります。バジルの葉は湯通ししておけば色よく仕上がるだけなく、ぎゅっと絞っておけばそのまま冷凍にもできます。冷凍したバジルは自然解凍後にさらに水分を絞れるので、そこからバジルソースを作ればより濃厚な味に仕上がりますし、日持ちもします。

<材 料>
生バジルの葉・・・80g
にんにく・・・2片
パルメザンチーズ・・・30g
松の実・・・40g
オリーブオイル・・・180cc
塩・・・小さじ1

301

<つくり方>
1.バジルの葉は、サッと湯通しして素早く冷水にとったら水分を絞っておきます。(冷凍する場合、この状態でラップに包み、さらに保存袋に入れます。解凍は袋のまま水につけて自然解凍しましょう)
2.バジル以外の材料をすべてミキサーに入れてソース状になるまでよく回します。
3.<2>のミキサーに<1>のバジルを加えてさらに回し、均一になったら出来上がりです。
※たくさん作ったら瓶やストック用の袋に小分けにして冷蔵か冷凍で保存しましょう。
※オリーブオイルは、生食できるエキストラバージンオリーブオイルを使いましょう。

レシピ2 :“赤が鮮やか”トマトソース

もう一つのソースは、赤い色が鮮やかに映えるトマトソースです。簡単に缶詰のトマトで作る例を見ますが、ここでは“この季節ならでは”の生のトマトを使ってみましょう。とは言っても、そんなに手間はかかりません。材料を一度にお鍋に入れて煮込み、ミキサーを回すだけのお手軽ソースです。フレッシュなトマトの味がそのまま生きる、とびきり美味しい自家製ソースの出来上がりです。ここではミニトマトを使っていますが、もちろん中玉トマトでも大玉トマトでもかまいません。

<材 料>
生のミニトマト・・・1kg
玉ねぎ・・・中1個
にんにく・・・3片
セロリの茎・・・5cm
パセリの茎・・・2本
オリーブオイル・・・大さじ2
塩・・・適量

301

<つくり方>

  1. ミニトマトは半分か1/4にカットします。
  2. 材料すべてを鍋に入れ、トマトから水分が出て、玉ねぎやセロリが柔らかくなるまで煮込みます。
  3. 人肌になるまで冷まします。
  4. ミキサーにかけて塩で味を調えて出来上がりです。

レシピ3:バジル&トマトの“ミニミニ”ピザ

バジルソースとトマトソースはどちらかだけでもとっても美味しいお料理ができますが、ここでは両方使って、手軽でおしゃれなお料理に挑戦してみましょう。作ってみるのは、なんと、餃子の皮を使った“ミニミニ”ピザ。2つのソースとフライパン、オリーブオイルさえあればすぐに作れますから、少しおなかが空いたな~というときにとっても便利です。緑と赤の2種類焼けば、色のコントラストがとってもきれい。白いお皿に盛り付ければまさしく“イタリアンカラー”なんです。美味しいだけでなく楽しく盛り上げたいときにもうってつけです。

<材 料>
餃子の皮・・・8枚
オリーブオイル・・・適宜(薄く敷きます)
バジルソース・・・大さじ4
トマトソース・・・大さじ4
溶けるスライスチーズ・・・2枚
お好みで、ミニトマトやしらすなど

<つくり方>

  1. 餃子の皮を1枚ずつお皿などに敷いて、バジルソースやトマトソースをたっぷり塗り、溶けるスライスチーズを1/4に切って乗せます。チーズがお好きな場合は1/2でもかまいません。
  2. 熱したフライパンにオリーブオイルを入れてキッチンペーパーなどで薄くのばしてから、<1>で用意したもの置き、蓋をして中火で焼きます。手間はたったこれだけ。おしゃれなピザの出来上がりです。
  3. お好みでミニトマトをスライスして載せたり、しらすを載せたりしてから焼くと、見違えるほど贅沢な一品に。ぜひお試しください。

おまけレシピ:ミニトマトとクリームチーズのバジルソース和え

今回は、緑、白、赤の3色が可愛い“イタリアンカラー”のお料理をもう一品。ミニトマトとクリームチーズのバジルソース和えです。バジルソースがあれば、ものの数分で出来てしまう優れものサラダです。作り方は説明するまでもないほどカンタン(笑)。ミニトマトとクリームチーズをカットして、バジルソースで和えるだけです。何か一品足りないというときにおすすめです。クリームチーズを冷凍してからカットするとベタベタくっつきません。

<材 料・2人分>
ミニトマト・・・20個程度
クリームチーズ・・・1個(20gくらいのもの)
バジルソース・・・大さじ1

太陽で疲れた土を養生

秋がやってくると、終わりを迎えた夏野菜たちをひとつひとつ抜いていきます。名残惜しい気持ちはありますが、秋冬の野菜をつくるためには畑の場所を空けなくてはいけません。まだ緑の葉が残る野菜たちに向かい心の中で「お疲れさま」「ありがとう」などとつぶやきながら作業をしていきます。
その後の土に堆肥を入れたり、有機肥料を入れたりして鍬で耕すことは、ちょっと野菜づくりをしている人ならご存じかと思います。でも、私たちが、その後に加えているひと手間があります。それは、太陽の熱を使って畑の土を温めてあげること。と言ってもそんなに難しくはありません。耕した土の上に透明マルチというシートをかぶせるようにして上から覆うだけです。あとは太陽が仕事をしてくれます。これは陽熱処理とか太陽熱養生処理などと呼ばれる作業です。私たちも疲れた土をいったん休ませて養生させるイメージでやっています。
シートで覆った土は太陽光をどんどん吸収して60度をはるかに超える高い温度になります。土の中に残っている雑草たちもほとんど枯れてしまいます。それから秋冬野菜たちを植えていけば、雑草に邪魔されずのびのびと育ってくれるというわけです。
実はこの処理、お庭の菜園やベランダのプランターでもとても簡単にできるんです。必要なものは、少し大きめのビニール袋だけ。堆肥・肥料を入れて耕したらビニール袋を風呂敷のように広げて覆うだけ。ベランダで使うプランターも同じ要領です。小さめのプランターなら土を袋に丸ごと入れて日当たりのいいところに置くだけです。簡単ですので、ぜひ試しください。

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vol.8なす&トマト

なすとトマトの“お手軽”ラタトゥイユ

8月といえば夏本番。太陽がじりじり照りつけてくる季節です。青い空に入道雲がもくもくと湧き上がり、近くの木立でセミが一斉に鳴いている。そんな情景がピッタリ来ますね。でも、実は、そんな夏真っ盛りの季節の中に少しずつ秋の気配が入り込んできています。暦の上では8月7日は立秋。そう、今はもう秋なんですね。夏野菜たちもこの気配を敏感に感じ取り、せっせと種を作り、子孫を残そうとしているのでしょう。実がどんどん大きくなり次々に色づいていきます。
今はそんな夏野菜たちが実に美味しい季節でもあります。畑でもトマト、なす、ピーマン、きゅうり、ズッキーニ、かぼちゃが取り放題。子孫を残そうとする野菜たちにはちょっと申し訳ない気もしますが……。
そんな夏野菜の中でも大スターと言えるのがなすとトマト。どんな料理にも合う万能選手ですね。今回はこのなすとトマトを使ったシンプルなラタトゥイユを紹介しましょう。
一般的に、ラタトゥイユには、なすとトマト以外に、パプリカ、ズッキーニ、時にはかぼちゃまでも入れますが、主役を二つだけに絞ると、それぞれの味がぐっと引き立って、とても鮮烈な料理に仕上がります。しかも野菜を切ったり火を入れたりする手間が減りますから、時短にもなります。もう一品は、料理の名脇役でもある玉ねぎを使った“あまうま”冷製ムース。鮮烈なラタトゥイユに添えてお召し上がりいただくと、両方の美味しさがいっそう引き立ちます。

収穫物
~今日の収穫物~
なす、ミニトマト

~今日のレシピ(材料はすべて3~4人分です)~
なすとトマトの“お手軽”ラタトゥイユ
玉ねぎの“あまうま”冷製ムース

レシピ1 : なすとトマトの“お手軽”ラタトゥイユ

今年もミニトマトとなすが豊作です。毎週のように採ってもまた次の週にはたくさん実が出来ていて、畑でトマトの赤となすの紫を目にするたびにとても嬉しく豊かな気持ちになります。今回ご紹介するのはこの二つが主役のシンプルなラタトゥイユ。隠し味のスパイスにクミンとカイエンヌペッパーを使って、主役の味をストレートに引き出します。温かいまま食べてももちろん美味しいのですが、冷たく冷やすと、いっそう鮮烈な味になってくれます。まさに夏の味覚。ぜひお試しあれ。

<材 料>
完熟生トマト・・・ミニトマト20個(大玉なら1~2個)
なす・・・大3個(中なら3個)
トマト缶(カットしたもの)※・・・1缶
玉ねぎ・・・中玉1個
にんにく・・・1かけ
コンソメ・・・1つ(スティックなら1袋)
オリーブオイル・・・大さじ1
クミンシード、クミンパウダー、カイエンヌペッパー・・・小さじ1/3~1/4(お好みで調整ください。多めに入れるとカレー風味になります。)
塩、胡椒・・・適宜
ローリエ・・・1枚
※トマト缶を使って酸味を強調します。生トマトのフレッシュな酸味にトマト缶の甘みが加わって、味にパンチが出ます。

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<つくり方>
1.にんにく、玉ねぎはみじん切りにします。
2.生トマトは中玉、大玉の場合はザク切りにします。舌ざわりが気になるようなら、皮をむいておきましょう。(前回、ご紹介したように冷凍しておいて水に放っておくとスルリとむけます)
3.お鍋もしくは深めのフライパンにオリーブオイルを熱し、玉ねぎとにんにくを入れたら塩を少しふって炒めます。
4.輪切りにしたなすをフライパンに加えてさらに炒め、全体によく混ざったら、生トマト、トマト缶、クミンシード、クミンパウダー、カイエンヌペッパー、ローリエを入れて、なすに火が通るまで弱火で煮込んだら、塩、胡椒で味を調えて出来上がりです。三つのスパイスの量はお好みですが、あまりたくさん入れてしまうとカレーになってしまいますから、ここではそうならないようにそれぞれ小さじ1/3~1/4くらいの量にしています。

レシピ2 : 玉ねぎの“あまあま”ムース

玉ねぎと言えばラタトゥイユに欠かせない縁の下の力持ち、トマトやなすなどのカラフルな夏野菜に比べるととても地味で重要な脇役という役回りですが、ここで紹介するムースでは一転、完全に主役級の働きをします。じっくり炒めることで、生では味わえない玉ねぎの旨みと甘みがぐいっと姿を現します。そのまま味わっても驚きの“極旨”ムースになりますが、他の料理を格段に引き立てる調味料としても絶妙の働きをしてくれます。今回のラタトゥイユでも、トマトの味が強く出ますので、少し柔らげて味わいたいときなどは、ぜひこのムースを添えてみてください。味に奥行きが出て、まるで2種類のラタトゥイユを食べている気分になります。

<材 料>
玉ねぎ・・・400グラムくらい(大1個または中2個)
オリーブオイル・・・大さじ3
塩・・・小さじ1/4
無添加コンソメ・・・小さじ1/3
メープルシロップ・・・小さじ1/4~1(お好みで)

400

<つくり方>

  1. 玉ねぎは粗みじんに切り、フライパンに入れます。
  2. オリーブオイルと塩を入れたら、はじめは強火で、ある程度透き通ってきたらコンソメを入れて中火にしてさらに炒めます。10~15分くらいすると玉ねぎが飴色に変わってきます。味を確認して塩加減を調整します。甘みが足りないようならお好みでメープルシロップやはちみつなどを入れてさらに炒めます。
  3. 水を150ccほど入れてさらに5分ほど煮詰めます。ほどよいところで火を止めます。
  4. ホーローなどの入れ物に移し、氷水を使って冷やしておきます。
  5. 十分に冷えたらミキサーにかけてムース状にします。
  6. 器に入れてラップなどで密封して冷蔵庫で冷やせば出来上がりです。

おまけレシピ:巨大きゅうりでフレーバーウォーター

成長の早い夏野菜の中で成長スピードナンバーワンなのが「きゅうり」です。ちょっと畑をお休みすると、あっという間に巨大化してしまいます。巨大化したきゅうりは、皮が固くなってしまうだけでなく、種も大きくなって生では食べにくく、味も薄くなりがち。料理には使いにくくなってしまいます。こんなときには、炒めたり、スープの具として煮たりして火を入れて使うことが多いのですが、今回は生のままで使えるように欧米のセレブに人気のフレーバーウォーターに挑戦してみました。利尿作用があるカリウムがたっぷりなので、水の取り過ぎでむくみがちな人はぜひお試しください。レモンを加えてより飲みやすくなる上にビタミンC効果もばっちり期待できますよ。
<材 料>
きゅうり・・・大1/2本(もちろん普通のきゅうりでもOK。その場合は1本)
レモン・・・1/2個
水・・・1.8リットル

<つくり方>

  1. きゅうりは拍子切りにします。
  2. レモンは輪切りにします。有機栽培や無農薬栽培でない場合は皮をむいてから使います。
  3. 麦茶用のボトルなどに入れて、水を注いで半日くらい冷やせば出来上がりです。

ベランダ菜園も夏野菜真っ盛りに

わが家のベランダ菜園でもミニトマト、きゅうり、なす、バジルなど、畑と同じ野菜を作っています。味のほうは、もちろん自然の恵みをたっぷり受けた畑の野菜には敵わないのですが、それでも食べる直前に収穫できるので、結構みずみずしく、畑の野菜がなくなったときなど重宝することがあります。それだけではなくて、一つの野菜を苗の状態からつぶさに観察できるので、いろいろと栽培実験のようなこともできて、学んだことを畑で実践することもできます。
そんななか、毎朝、かわいい野鳥たちがこのベランダ菜園にやってきます。カラスたちもときどき野菜の様子をうかがっている気配がします。トマトなどが甘く熟してくれば鳥たちにとってはこの上ないご馳走。あっというまに食べられてしまいます。そんなときに役立ってくれるのが意外や意外、キッチンで使う「水切りネット」です。ミニトマトの実が一つ、二つ赤くなってきたら、ひと房をまるごとネットで覆ってしまいましょう。こうすると、小鳥たちはなかなか手出ししてきません。実が熟して下に落ちてしまうことも防げますから、まさに“一石二鳥”なんです。
今年は、畑でもこの方法でトマトととうもろこしを“防衛”。効果はてきめんで、ネットをかぶせなかったとうもろこしは熟した途端にハクビシンという害獣に軒並み食べられてしまいましたが、かぶせたものは何とか守ることができました。嬉しいことに鳥や虫からも守れました。少し手間がかかりますが、野菜たちへの愛情も深まります。家庭菜園でも有効ですのでぜひお試しください。

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Vol.7 ピーマン&玉ねぎ

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身体に優しい“ピーマンたっぷり”キーマカレー

今年も夏がやって来ました。旧暦では7月7日が「小暑」(しょうしょ)、7月22日が「大暑」(たいしょ)と言います。文字通り“暑い”季節の到来です。陽射しは強く長く、時折の夕立など、なんて過ごしにくい季節なんでしょう……。いえいえ、それは人間の側の見方。植物にとっては逆に天国のような季節です。葉は生い茂り、次々に実が成り、ぐんぐん大きくなっていきます。
もちろん雑草たちにとっても天国ですから、この時期、いちばん大切な仕事は雑草取りです。暑くならない午前中に、野菜周辺の雑草は慎重に、畝の間の雑草は大胆に刈っていきます。実は私のいちばん好きな仕事がこの雑草取り。土の声を聞いている気がして気持ちいいんです。刈った雑草は一カ所に集めて堆肥にするので、畑から生まれたものを畑に返す感じで、ちょっと地球に優しいことをしている気にもなります。
とはいえ、暑さに負けて体調を崩しては元も子もありませんから食事には気をつけたいところ。そこで今月の食材は、ビタミンたっぷりのピーマンが主役です。子どもたちの嫌いな野菜の代表選手ですが、なんとピーマンはビタミンの宝庫。ビタミンCがレモンやトマトよりも多いと言われています。なんとか食べやすくできないものかと考えたのが、今回紹介するピーマンたっぷりカレー。わが家では略して「ピーたっぷカレー」と呼んでいます。ちょっと前に取れた玉葱と合わせて簡単に作れますので、ぜひお試しください。

収穫物
~今日の収穫物~
ピーマン、玉ねぎ

~今日のレシピ(材料はすべて3~4人分です)~
身体に優しい“ピーマンたっぷり”キーマカレー
かぼちゃの冷たいポタージュ

レシピ1 : 身体に優しい“ピーマンたっぷり”キーマカレー

「え~。なっちゃん、ピーマン苦手~」
カレーは好き、パスタも好き。でも今回のレシピの主役がピーマンと聞いて、畑ごはんのお手伝いをしてくれるなっちゃん(小学校3年生)は困惑顔です(笑)
でも出来上がったカレーを「美味しいっ」とおかわりして食べてくれました。ピーマン嫌いのお子様にぜひどうぞ。一晩おくと、ピーマンのくせが消えて味がなじんでさらに美味しくなります。

<材 料>
ピーマン・・・4~5個
玉ねぎ・・・中玉1個
合い挽き肉・・・400g
カレールー・・・市販のものをお好みで(溶けやすいフレーク状のものがおすすめです)
トマト缶(カットしたもの・・・1缶
コンソメ・・・2つ(スティックなら2袋)
塩、胡椒・・・適宜
溶けるチーズ・・・お好みで
干しぶどう・・・お好みで
ペンネ※・・・適宜
※もちろんご飯でもロングパスタでも美味しくいただけます。

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つくり方
1.ピーマン、玉ねぎはみじん切りにします。
2.ライパンにオリーブオイルを熱し、玉ねぎを炒めます。この時、塩をパラパラとふると玉ねぎから水分が出てしっとりと炒めることができます。
3.ピーマンを加え、玉ねぎと混ざったら、挽肉も加えて炒めます。この時、挽肉が固まらないように手際よく素早く炒めましょう。
4.トマト缶を入れコンソメを加えてしばらく煮込み、味をみながら市販のカレールーを加えて味を整えていきます。
 (今回は使いませんでしたが、お好みによりここで干しぶどうを入れてさらに煮込むと、甘酸っぱさが出て隠し味になります。)
5.塩、胡椒で味を調えます。コクが欲しい場合、溶けるチーズを入れるとさらに美味しさがアップします。
6.ショートパスタやロングパスタ、もちろん、ご飯にもパンにも相性バツグンのカレーの出来上がりです。

ワンポイントアドバイス:使えます! 冷凍したミニトマト&トマト缶

今回はトマト缶(カットしたもの)を使いましたが、もちろん缶詰ではないトマトを使ってもかまいません。湯むきをするのがちょっと面倒ですが、一工夫すれば簡単に皮をむくことができます。それはトマトを冷凍室で凍らせてから水に放ってしばらく置くだけ。スルスルと皮がむけてしまいます。

レシピ2 : かぼちゃの冷たいポタージュ

夏のメニューの最初に冷たいポタージュがあると食欲が進みませんか?
たとえば前日にちょっと準備しておくだけで、ぐっと豊かなメニューになりますよ。
当日はガーッとミキサーにかけるだけて、冷たくて彩りもきれいな一品の出来上がりです。

<材 料>
かぼちゃ・・・大1/2個
玉ねぎ・・・中1/2個
コンソメ・・・2つ(スティックなら2袋)
ローリエ・・・1枚
塩、胡椒・・・適宜
牛乳または豆乳・・・適宜

<つくり方>

  1. かぼちゃは火が通りやすい大きさに切り、皮を薄くむきます(皮をむいた方が彩りがよく、滑らかに仕上がります)。
  2. 玉ねぎはザク切りにして、かぼちゃと一緒にお鍋に入れたら、ヒタヒタより少し多めに水を加えます。
  3. コンソメ、ローリエも入れたら、かぼちゃに火が通るまでコトコトと煮込みます(火の通り具合は竹串で確認します)。
  4. 火を止めて、ローリエを取り出して、冷まします(冷ますのは味がなじむためと、熱いままミキサーにかけると危険だからです)。
  5. ミキサーにかけてポタージュにします。
  6. 塩、胡椒で味を調え、牛乳または豆乳で好みの濃度に調整します。
  7. 冷蔵庫でつめたーく冷やしてポータージュの出来上がりです。

※< 4 >の段階まで支度をしたら、そのまま冷蔵庫で冷やして、食べる直前にミキサーをかけてもかまいません。
※かぼちゃだけでなく、にんじんやじゃがいもを加えてみても美味しいポタージュに仕上がります。じゃがいもの場合、長ねぎを2~3㎝加えるのがおすすめです、野菜の甘みを生かすため、なるべくシンプルな味付けにするのがポイントです。

ベランダ菜園も夏野菜真っ盛りに

畑は夏野菜の天国ですが、ベランダでもきゅうりやトマトが出来はじめてきました。朝夕に緑を眺めるだけでも、ちょっとした森林浴気分が味わえます。毎朝、葉っぱの調子や実の成り具合を確かめられるのはベランダ菜園やお庭菜園をやっている特権ですね。野鳥たちも美味しい実を求めて毎朝やって来ます。とはいえ、きゅうりもトマトもちょっと目を離すとどんどん大きくなってきて2メートルを超える“大木”になってしまいます。できれば、ホームセンターで支柱を手に入れたりして少し手間をかけながらのびのび育てたいところです。

そんなときに役に立つのが「麻ひも」。自然に帰る素材ですからベランダやお庭の雰囲気を壊さずに野菜たちをコントロールできます。たとえばトマトの場合なら、端を支柱のてっぺんに結んで、ひもの端をトマトの枝の下方に巻き付けながらもう一端を支柱のてっぺんに結びつけて枝が暴れないようにします。きゅうりもあちこちに蔓を伸ばして大きくなろうとしますから、茎を麻ひもで支柱に結びつけたりして抑えます。そうした姿はまるで野菜たちの“しつけ”のよう。ベランダやお庭を狭くしないで、野菜で盆栽気分も味わえます。こちらもぜひお試しください。

Vol.6 レタス&ほうれん草

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シャキシャキレタスで夏の“極旨”サンドイッチ

6月といえば梅雨の季節です。今年は6月10日が「入梅」(にゅうばい ※暦の上での梅雨入り)。じめじめとしてなかなか快適とは言いがたい季節ですね。その一方で、畑仕事がとても多い季節です。トマトの枝やキュウリのつるを支柱などに添わせる「誘引」という作業や、不要なわき芽を取り去る「芽かき」という作業を、雨の合間をぬってやらなくてはいけません。
もちろん、すくすく育つベビーコーンやヤングコーンなどを食べるという畑ならではのお楽しみもありますが……。気温が高く、雨も多い6月は、ちょっとでも手を抜くと、トマトやキュウリなどはあっという間に大きくなってしまいますし、雑草もどんどん伸びてきます。この時期、頑張っておくことで、美味しい夏野菜がどっさり採れるうれしい状況になってくれるのです。
そんな梅雨時は食欲が落ちないように、食べるものにも工夫が必要です。今月はそんなときにぴったりのメニューを二品ご紹介します。シャキシャキのレタスと、鉄分たっぷりのほうれん草を食べて、じめじめした梅雨を吹き飛ばしてしまいましょう。

収穫物
~今日の収穫物~
レタス、ほうれん草

~今日のレシピ(材料はすべて3~4人分です)~
レタスとオイルサーディンの“極旨”サンドイッチ
ほうれん草と温泉たまごの“ジュレ”サラダ

レシピ1 : レタスとオイルサーディンの“極旨”サンドイッチ

グリーンサラダと言えばレタスを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。赤いトマトと並んで、サラダには欠かせない生野菜の代表格ですね。採れたてのレタスはとてもみずみずしくて、食感はシャキシャキとして、これからの暑い季節には欠かせない葉物野菜です。畑やお庭で作るのもそんなに難しくありません。種をまいておきさえすれば、さほど手間をかけずにきれいな“緑のボール”が出来上がってくれます。もちろん苗を買ってくればもっと確実です。そうやって、シャキシャキとした美味しいレタスが手に入ったら、ぜひ試していただきたいレシピがあります。それはサラダではなく(笑)、オイルサーディンを使ったボリュームたっぷりのサンドイッチ!
レタスとオイルサーディンのサンドイッチのお話をすると驚かれる方が多いのですが、実は絶妙な組み合わせです。味だけでなく見た目も贅沢な“極旨”の一品です。今回は、サンドイッチに温泉たまごと香草パン粉をのせて、とても贅沢なサンドイッチになりました。

<材 料>
たまご・・・人数分
コーヒーフィルター・・・人数分
8枚切り食パン※・・・人数分
マスタードマヨネーズ・・・適宜
レタス・・・適宜
オイルサーディン缶詰・・・1缶で1.5~2人前くらい
※写真では全粒粉の食パンを使っています。

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<つくり方>

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  1. まず温泉たまごを作りましょう。ここではコーヒーフィルターを使う方法をご紹介します。最初にコーヒーフィルターにたまごを割り入れます。
  2. フィルターをクリップで止めたら、お湯を沸騰させたお鍋に入れて火をつけたまま2分待ちます。
  3. 2分たったら、フィルターに入れたまま冷水で冷やしておきましょう。
  4. 次に、食パンにマスタードマヨネーズを塗ります。
    (食パンは一手間かけてトーストするのもgood! トーストサンドにするとさらに香ばしく仕上がります。)
  5. レタスを何枚か敷いたら、その上にオイルサーディンをお好みの量のせ、<3>の温泉たまごをのせれば出来上がりです。
    この上に、前回ご紹介した香草パン粉をふりかけると、サクサクした食感と粉チーズの香りが加わってよりいっそう食欲が増す味になります。

Information:使えます! コンソメジュレ

市販のコンソメのほとんどが、1キューブ(または1包)、300ccのお湯で溶くとコンソメスープが出来るようになっています。そこで200ccのお湯で濃いめのスープをつくり、ゼラチンを2.5g加えて冷蔵庫で冷やせばゆるゆるのゼリー=コンソメジュレの出来上がりです。胡椒やカレー粉を加えてお好きにアレンジしてみてください。
これからの季節、冷たいジュレはドレッシングやソースの代わりになって、見た目も涼しげです。

レシピ2 : ほうれん草と温泉たまごの“ジュレ”サラダ

本来、ほうれん草の甘みが増すのは冬の寒い季節ですが、この時期のほうれん草はえぐみが少なくてサラダ向きです。温泉たまごの黄身をとろーりと和えるイメージでよく冷やしたコンソメ味のジュレと一緒にどうぞ。先月ご紹介した香草パン粉をかけるとご馳走サラダの出来上がりです。

<材 料>
ほうれん草・・・1束
温泉たまご・・・人数分 ※レシピ1参照
コンソメ・・・適宜(コンソメ1個につき、お湯200ccで溶きます)
ゼラチン・・・2.5g
香草パン粉・・・適宜

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<つくり方>

  1. ほうれん草を食べやすい大きさに手でちぎり、お皿に盛ったらその上に冷やしておいた温泉たまごをのせます。
  2. さらに、コンソメジュレをかけ、彩りを豊かにするため溫泉たまごを割って黄身を見せます。
    ここでも前回ご紹介した香草パン粉をお好みでかけるとさらに美味しさが一段上がりますよ。

“袋”で野菜を作ってみませんか?

ベランダやお庭で野菜を作ろうとすると、あれこれと必要なものが出てきます。培養土はもちろんですが、それを入れるコンテナ、肥料や、小さなシャベル、支柱やじょうろなど、あれこれ揃えないといけなくなりますね。ちょっと面倒に思うとなかなか始められません。結局、今年もできなかった、ということになりがちです。
でも、最近ではとても便利なグッズが手に入るようになりました。こういったものを使えば肩に力を入れずにベランダやお庭で野菜作りを始めることができます。今回ご紹介するのは、なんとトマトを育てるための培養土入りの袋です。これさえ手に入れれば、後はトマトの苗を買って植えるだけ。必要なのは大きくなるときのために支柱くらいです。この袋にはトマトの成長に必要な栄養入りの土が入っているので、肥料を買う必要もありません。あとは袋に書いてあるとおり、ときどき、水やりをしさえすればすくすくと育ってくれるのです。
写真は有名なトマトケチャップメーカーのものですが、こういった製品はホームセンターなどに行けば手に入ります。ベランダやお庭で手間をかけずに野菜づくりを楽しみたい人には最適です。ぜひお試しください。

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Vol.5 アスパラ&パセリ&ニラ

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初夏のアスパラで”爽やか”ランチプレート

5月はとても気持ちのいい季節です。旧暦で見ると、5月5日が立夏(りっか)ですから、暦の上ではすでに夏が訪れているんですね。夏とはいっても、梅雨前ということもあり、畑で作業をしていても爽やか。気温もほどよく、さっと一陣の風が吹いてきたりすると心身ともに洗われるような気がします。
この季節は、苗を畑や菜園に植える季節でもあります。園芸店に足を運ぶと、いろいろな苗が出ています。トマト、茄子、きゅうり、かぼちゃなどなど……。「さあ、何を植えようか」と思うだけでウキウキしてきます。
そんな初夏に旬を迎える野菜といえばアスパラガスです。今月は、アスパラをメインに、春から初夏にかけて美味しいパセリとニラを使った料理をご紹介しましょう。どれも味や香りの強い野菜ですが、組み合わせると絶妙のハーモニーを奏でてくれますよ。

収穫物
~今日の収穫物~
アスパラガス、パセリ、ニラ

~今日のレシピ(材料はすべて3~4人分です)~
アスパラとマッシュルームのパセリ香草焼き、美味しいパンを添えて
ニラ玉スープ

レシピ1 : アスパラとマッシュルームのパセリ香草焼き、美味しいパンを添えて

畑を始めて2年目の今年、アスパラがニョキニョキと顔を出してくれました。アスパラガスは「多年生」(たねんせい)と呼ばれる植物なので、いったん根付くと毎年毎年、芽を出してくれます。雑草を取ってあげればすくすく育つので手間がかからずとっても嬉しい野菜ですね。今回採れたものは、まだ、いわゆる”2年もの”なので、細くてかわいい姿ですが、味はしっかりとアスパラを主張しています。シンプルに「塩茹でしてマヨネーズ」は王道ですが、味が濃いアスパラなので、やはり味の強いパセリと組み合わせて香草パン粉焼きにしてみました。
美味しいお食事パンを添えれば、初夏の”爽やか”ランチプレートになりますよ。今回はカレーパンとチーズパンを添えてみました。

<材 料>
アスパラガス・・・細め8本
マッシュルーム・・・1パック
パン粉、パセリ、粉チーズ、オリーブオイル、バター・・・それぞれ適宜
サイドディッシュとしてカレーパンなどお好きなものを

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<つくり方>

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  1. まず、香草パン粉をつくりましょう。パセリをみじん切りにします。
  2. フライパンにパン粉を入れてぱらっとなるまで炒めたら、みじん切りにしたパセリを加えて、さらに水分が飛ぶまでから煎りします。
  3. 粉チーズを加えます。粉チーズを入れるとみるみるうちにパン粉がきつね色になっていくので、ちょうどいい色かげんで火を止めます。
    ※香草パン粉の出来上がりです。容器に移しておきましょう。
  4. フライパンにオリーブオイルを熱し、アスパラガスとマッシュルームを炒めます。
  5. 火が通ったら香りづけにバターを少々落とし、そこに< 3 >の香草パン粉と合わせて出来上がりです。

Information:使えます! 香草パン粉

サクサクの食感、そしてチーズの風味が食欲をそそる香草パン粉は、お料理のトッピングとしてかなり使えます。サラダにトッピングしたり、今回、畑ではカレーパンやチーズパンの中に香草パン粉を入れたらサクサクが大好評でした。ドリアやグラタンにも使えます。言うなれば、”西洋ふりかけ”でしょうか。冷蔵庫で一週間くらいはもちますのでぜひお試しください。

レシピ2 : ニラ玉スープ

こちらのニラも2年目です。こうして毎年収穫できる野菜は雑草を取って、液肥をかけてあげるだけで収穫できる畑の強い味方。
「今年もまた育ってくれた」と再会できる歓びもひとしおの嬉しい野菜です。香りが強いニラを使ってお手軽スープをご紹介しましょう。

<材 料>
ニラ(市販なら)・・・半束
たまご・・・2個
コンソメスープ・・・人数分
塩、こしょう・・・適宜

400

<つくり方>

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  1. コンソメを分量の水で溶かし、コンソメスープを人数分作っておきます。
  2. ニラは1cm幅くらいに切ります。
  3. たまごを割りほぐして、そこにニラを加えます。
  4. コンソメスープが煮立ったところに、< 3 >を少しずつ流してたまごが固まったら出来上がりです。塩、こしょうで味を調えてどうぞ。

おまけレシピ : “パク玉”スープ

Vol.4でパクチーのメニューを紹介しましたが、パクチーは切っても切っても出てきてくれる元気な香草。今月もモリモリと育ってくれています。そんなパクチーをニラの代わりに使ったらどう? ということで、ある日のメニューでは、ニラ玉ならぬ”パク玉”スープを作りました。これがニラ玉に負けず劣らずの美味しさ。パクチーの場合、仕上げにラー油をひとたらしすると、エスニックスープに早がわり。旬のたけのこをみじん切りにして加えると立派なご馳走スープの出来上がりです。

<つくり方>
ニラ玉スープの作り方で、ニラの代わりにパクチーを使います。

苗を買って育ててみませんか

夏野菜の苗もある程度育つと、どんどん畑に植え替えていきます。これを「定植」(ていしょく)と言います。苗は種から育てるととても愛着がわきますが、なかなか芽が出なかったり、発育が悪かったりすることもあって、面倒といえば面倒。そんなときには、苗を買ってみることもおすすめです。
5月はいろいろな苗が、それこそ、”よりどり緑”です。いい苗を選んで、お庭やベランダで育ててみるのも一つの楽しみです。苗選びは簡単です。一見して丈夫そうなものを選べばいいのです。少し詳しく見ると、葉が厚く、茎が太くしっかりしていて、葉と葉の間が短いもの。できるだけ、苗の入れ物であるポットが大きなものを選ぶといいでしょう。畑をやる人の間では「苗半作」(なえはんさく)と言います。”苗がよければ半分は育ったようなもの”という意味です。
いい苗を選んで、ベランダや菜園で美味しい夏野菜をつくってみませんか。

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Vol.4 パクチー&スティックブロッコリー

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花咲く畑で“ごきげん”春ランチ

春は生命が躍動する季節。木々は芽吹き、色とりどりの花が咲き、蝶や蜂が蜜を吸いにやってきます。冬野菜が終わった畑も、少し前までは寂しい感じでしたが、あちらこちらで取り残しの野菜たちからニョキニョキと茎が伸び、芽吹き、そこからほころんだ花たちが私たちの目を楽しませてくれます。白く可憐なダイコンの花を始め、青梗菜(チンゲンサイ)やブロッコリーの花が咲き乱れ、春の訪れを告げてくれています。
かわいい小鳥たちも、動き始めた虫やミミズを求めてやってきました。春の畑は、こういった小さな生き物たちにとってまるで楽園のような場所。そこで美味しいランチを食べながら過ごす時間は、私たちにもとても気持ちよく、さわやかに流れていきます。さて、今月は、そんな畑で食べる春ランチをイメージして、生命力あふれるパクチーとスティックブロッコリーを使った料理をご紹介しましょう。

収穫物
~今日の収穫物~
パクチー、スティックブロッコリー

~今日のレシピ(材料はすべて3~4人分です)~
パクチー“山盛り”エスニック風パスタ
スティックブロッコリーの中華風あんかけ

レシピ1 : パクチー“山盛り”エスニック風パスタ

冬の霜にも負けず、畑の一角でパクチーが元気にモリモリと育ってくれました。英語名は「コリアンダー」。乾燥させた実はスパイスとしてよく使われ、その葉はタイ料理や中華料理には欠かせない存在です。好き嫌いも多い香草ですが、パクチー好きならきっと一度はあこがれる(笑)、パクチーを“山盛り”にしたエスニック風パスタをご紹介しましょう。苦手な方はパクチーなしでも美味しくいただけるレシピですので、ぜひお試しください。

<材 料>
パスタ・・・250g
パクチー・・・たくさん!
もやし・・・2袋
ザーサイ・・・瓶詰めなら小1瓶
鷹の爪、ごま油、めんつゆ、ラー油、フライドガーリック・・・それぞれ適宜

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<つくり方>

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  1. ザーサイは粗めのみじん切りにします。
  2. もやしは洗っておきます。(ヒゲを取るとさらに美味しくなりますが、取らなくても十分美味しくできます。畑ではそこまでこだわらず、ヒゲを取らずにすませました)
  3. ごま油を熱し、鷹の爪を入れて、ザーサイ、もやしの順に入れ、軽く炒めておきます。
  4. めんつゆを注ぎ、フライパンに蓋をしてもやしのシャキシャキ感が残る程度に蒸し焼きにして、味を整えます。
  5. 茹で上がったパスタの上に、汁ごと盛って、さらに、その上からパクチーをどさっと山盛りにしたら出来上がりです。お好みでラー油、フライドガーリックをふりかけてどうぞ!

Information:パスタの茹で方 早わざ!

畑で料理をするときは手早く調理することが必要です。ガスのカセットを使ったコンロでは火力が弱く、パスタを茹でるときには時間がかかってしまいます。こんなときに便利なのがパスタを茹でずにすむ“早わざ”です。
テレビ番組やインターネット等でも紹介されている方法で、あらかじめビニール袋などにパスタの乾麺を入れて水を注いでおきます。乾麺が水分を吸って生パスタのようになるので、この水を切ってフライパンで炒めればアッという間に麺が茹で上がった状態になります。
畑では時間も道具も限られているのでパスタをアルデンテで食べるのは難しいと思っていましたが、この方法でそれができるようになりました。畑でなくても帰宅してすぐにパスタを食べたいときなどに試したい方法ですね。

レシピ2 : スティックブロッコリーの中華風あんかけ

ブロッコリーやカリフラワーを茹でたらどうやって食べていますか? 時間がないときなど、そのまま器にもってドレッシングをかけて食べるというパターンが多いのではないでしょうか。何かと制約が多い畑でもそうなりがちですが、ほんのちょっとひと手間かけるだけで、中華風メニューのりっぱな一品に!
実は市販のスープを使う手抜き料理ですが、このレシピで作った“あん”を、茹でたブロッコリーやカリフラワーの上からかけるだけで、ちょっとしたご馳走に変身してくれます。

<材 料>
スティックブロッコリー・・・適宜
中華スープ・・・2杯分
片栗粉・・・大さじ1

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<つくり方>

  1. スティックブロッコリーを茹でてお皿に盛ります。
  2. スープに必要なお湯の2/3くらいをお鍋に入れ、中華スープを作ります。
  3. 片栗粉大さじ1を2倍の量の水で溶き、<2>のスープに加え、ひと煮立ちさせます。
  4. とろみがついたら、スティックブロッコリーの上にかけて出来上がりです。
    コーンスープを使った場合、ごま油とラー油をひとたらし加えると中華風になります。片栗粉を加えるだけで、家にある即席スープが「あんかけソース」に早変わりします。

おまけレシピ : 春の花のふわとろサラダ

さて、スティックブロッコリーを美味しくいただくバリエーションをもう一つご紹介します。たらこや明太子が一人前の半分くらい残ることがありませんか?
これと豆腐を使って美味しく健康的なソースを作りましょう。とても簡単ですのでぜひお試しを。今回は、ブロッコリーの菜花だけを摘んで茹でたものに、明太子のピンク色が加わったら、見た目も素敵な“春の花のふわとろサラダ”が出来上がりました。

<材 料>
スティックブロッコリー・・・適宜
明太子・・・1/4腹くらい
絹ごし豆腐・・・1/3丁くらい
マヨネーズ・・・適宜

400

<つくり方>

  1. スティックブロッコリーを茹でてお皿に盛ります。
  2. 明太子は皮から出してペースト状にしておきます。
  3. <2>に絹ごし豆腐とマヨネーズを加えなめらかになるまで混ぜます。絹ごし豆腐の水分は切らずに使うとなめらかになります。
  4. <3>をスティックブロッコリーの上にかけて出来上がりです。
    ※絹ごし豆腐を加えることで、なめらかヘルシーディップの完成です。

夏野菜の準備を進めてます!

畑は春の盛りですが、夏野菜の準備も着々と進めています。スイートコーン、トマト、茄子、かぼちゃ、ズッキーニなどなど。空豆も花を付け、収穫の時期ももうすぐです。どちらかというと色味が地味だった冬野菜に比べて、黄色、赤、紫、オレンジ……。これから出来てくる野菜たちの華やかな色どりを思い浮かべるだけで気分が高揚してきます。
今は美味しい野菜を楽しみに、心を躍らせながら作業を進めています。種を植え、苗を育て、地温を上げるためのマルチというシートを張ったり、ビニールでトンネルというミニ温室を作ったりと――ひたすら地味ですが、種や苗に声をかけ、土と対話しながら、楽しめる。そんな豊かな時間です。どんな道具を使おうかな、なんていう楽しみもあります。お庭やベランダにミニ菜園を作ると、こういった豊かな時間が生まれます。日々の暮らしの中にそんな彩りを加えてみませんか。

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Vol.3 ごぼう&じゃがいも

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畑に春がやってきました!

3月に入り、すっかり陽射しは春になりました。畑のまわりにも“春黄金花”(はるこがねばな)と呼ばれる「山茱萸」(さんしゅゆ)の黄色い花が咲き、彩りを加えてくれています。陽気もよくなり、畑で作業をしていると、汗ばむこともあるくらいです。
とはいえ、「春は三寒四温」――。暖かいと思ってもいきなり寒くなる日もあります。風邪などひかないようしっかり栄養を取って備えたいものですね。
さて今月は、冬の寒さに地中で耐えてくれたごぼうと、追熟させたじゃがいも、霜にも負けなかったパセリを使った2品をご紹介します。

収穫物
~今日の収穫物~
ごぼう、じゃがいも

~今日のレシピ(材料はすべて3~4人分です)~
牛肉とごぼうのまぜご飯
じゃがいもと茸(きのこ)のソテー ゴルゴンゾーラ風味

レシピ1 : 牛肉とごぼうのまぜご飯

秋から冬にかけて少しずつ大事に収穫しているごぼう。その味を思いっきり楽しみたくて、ごぼうが主役のまぜごはんにしてみました。
香りが高くてやわらかいごぼうは、牛肉との相性もぴったりで「おかわり!」の声が聞こえてきそうです。

<材 料>
ごぼう・・・中2本
牛肉切り落とし(こま切れ)・・・200g
すき焼きのたれ・・・適宜
白米・・・2合

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<つくり方>

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  1. ごぼうはささがきにして、しばらく水に放ったらザルにあげます。通常ごぼうはあく抜きのために酢水に放ちますが、採れたてなら水でかまいません。
    ※ささがき初心者はピーラーを使うとラクにできます。
  2. 牛肉は食べやすいようにひと口大に切ります。
  3. フライパンにごま油を熱し、ごぼうを炒めます。
  4. 油が全体になじんだら、すき焼きのたれをごぼうがひたひたにかぶるくらいに注ぎます。
  5. ごぼうが柔らかくなったら、牛肉を加え全体に火が通るまでサッと炒めます。
  6. 炊きたてのご飯とまぜれば出来上がりです。
    ※ご飯に粘りが出ないように手早くまぜましょう。へらでご飯を切るようにまぜるのがコツです。

レシピ2 : じゃがいもと茸(きのこ)のソテー ゴルゴンゾーラ風味

収穫してから追熟させたじゃがいもと、冬の霜にも負けず青々してくれているパセリを使って付け合わせにしました。ゴルゴンゾーラチーズと茸(きのこ)のクセがじゃがいもと良くマッチして、まさに「クセ」になる一品です茸はブラウンマッシュルームとしいたけを使いましたがお好みで。。

<材 料>
じゃがいも・・・中4個
しいたけ・・・4枚
ブラウンマッシュルーム・・・4個
ゴルゴンゾーラチーズ・・・40g
パセリ・・・適宜
オリーブ油、塩、こしょう・・・適宜

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<つくり方>

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  1. じゃがいもは火が通りやすいように薄めの輪切りにします。
  2. しいたけ、ブラウンマッシュルームは薄切りにします。
  3. パセリは粗めのみじん切りにします。
  4. フライパンにオリーブ油を熱し、じゃがいもを焼き色がつくまで炒めたら、一度、お皿に取り出します。
  5. フライパンにオリーブ油を足し、しいたけ、ブラウンマッシュルームを炒めます。
    ※茸類は油を吸いやすいのでオリーブ油は控えめにします。
  6. 茸類に火が通ったら、ゴルゴンゾーラチーズを加えて、チーズを溶かしながら茸にからめます。
  7. 先に炒めておいたじゃがいも、粗みじんにしたパセリを加え、全体がなじんだら塩・こしょうで味を調えれば出来上がりです。

あると便利!コーナー

ピーラー  チーズ

春は“芽吹き”の季節

トマト、茄子、パプリカ、ズッキーニ、かぼちゃ、ここのところ毎週、せっせと夏野菜たちの種をまいています。ポットにまいた種がやがて芽を出して、ぐんぐん大きくなっていく姿を観察するのはとても楽しく心躍るもの。どんな姿になっていくのか想像するとワクワクします。春は“芽吹き”の季節ですね。
わが家では、この時期、内窓の日当たりのよい場所は野菜の苗に占有されます。手間はかかりますが、苗の出来ひとつで野菜の善し悪しが決まるのでここは頑張りどころです。
苗のうちは葉っぱと茎の緑だけですが、夏になればトマトやパプリカのように赤、黄色、オレンジといったカラフルな実をつけてくれるものもたくさんあります。もしあなたのお庭やベランダがお花だけなら、今年はそこに夏野菜の彩りを添えてみるのもいいかもしれませんね。今年は、いつものお庭ではなく花と野菜の両方で華やぐ楽しいポタジェにするチャレンジをしてみませんか?

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