vol.9バジル&トマト

“彩り鮮やか”バジルソース&トマトソース

まだまだ暑さが残る9月、秋も半ばと言われてもなかなかピンと来ないかもしれません。でも、今年は9月15日が「中秋の名月」ですし、22日は「秋分の日」というように、9月のカレンダーを見ると「秋」の一文字があちらこちらに見えています。秋というといつの間にか通り過ぎていく感がありますが、暦の上では実はいまが秋の本番です。暑さ寒さも彼岸まで。この時期を境にぐっと涼しくなってきますから、体調を崩さないように備えておきたいところですね。
さて、畑の方はというと、秋の気配を感じたのか、放置していたサボテンの花が咲こうとしています。野菜も入れ替わりの時期です。きゅうりやなすなど、夏野菜の中でも終わりを迎えるものも出てきます。ここからは、ダイコンやにんじん、白菜、きゃべつ、ブロッコリーなどなど……、根菜や葉物を中心に秋冬野菜の準備をする季節です。涼しくなるから畑仕事もはかどります。
そんな中、夏野菜たちもしぶとく生き残っています。例えばバジルとトマトがそうです。種まきの季節を調整したり、上手に育てたりすると、秋になってもまだまだ元気。バジルは少し遅い時期に種をまけば10月の少し寒い季節まで収穫ができますし、夏野菜の代表格のトマトは秋になると二回目のピークを迎えてくれます。トマトは可愛く見えて、雑草にも負けない強くたくましい野菜なんです。
バジルもトマトも問題なのは一度にどっさり採れてしまうこと。冷蔵庫には入りきらないし、どうしようと困ってしまうことがよくあります。今回は、こんなお悩みを解消します。バジルとトマトを使って、彩りも鮮やかな2つのソースと、それを使ったお手軽イタリアンを紹介しましょう。2つのソースは小分けにして冷凍すればストックソースとして常備できますからとっても便利ですよ。

収穫物
~今日の収穫物~
バジル、ミニトマト

~今日のレシピ(材料はすべて3~4人分です)~
“緑の彩り”バジルソース
“赤が鮮やか”トマトソース
“バジル&トマトの“ミニミニ”ピザ

レシピ1 :“緑の彩り”バジルソース

まずは夏の定番ハーブ、バジルを使ったソースを紹介しましょう。このソースがあれば、いつものサラダやソテーに少しかけるだけで、“彩り豊かな”イタリアンメニューに大変身! ソースを冷蔵庫でストックしておけば必要な時にいつでも使えてとっても便利です。
よくあるレシピでは生のバジルを使いますが、ここではサッと湯通ししてからソースを作ります。バジルの葉は湯通ししておけば色よく仕上がるだけなく、ぎゅっと絞っておけばそのまま冷凍にもできます。冷凍したバジルは自然解凍後にさらに水分を絞れるので、そこからバジルソースを作ればより濃厚な味に仕上がりますし、日持ちもします。

<材 料>
生バジルの葉・・・80g
にんにく・・・2片
パルメザンチーズ・・・30g
松の実・・・40g
オリーブオイル・・・180cc
塩・・・小さじ1

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<つくり方>
1.バジルの葉は、サッと湯通しして素早く冷水にとったら水分を絞っておきます。(冷凍する場合、この状態でラップに包み、さらに保存袋に入れます。解凍は袋のまま水につけて自然解凍しましょう)
2.バジル以外の材料をすべてミキサーに入れてソース状になるまでよく回します。
3.<2>のミキサーに<1>のバジルを加えてさらに回し、均一になったら出来上がりです。
※たくさん作ったら瓶やストック用の袋に小分けにして冷蔵か冷凍で保存しましょう。
※オリーブオイルは、生食できるエキストラバージンオリーブオイルを使いましょう。

レシピ2 :“赤が鮮やか”トマトソース

もう一つのソースは、赤い色が鮮やかに映えるトマトソースです。簡単に缶詰のトマトで作る例を見ますが、ここでは“この季節ならでは”の生のトマトを使ってみましょう。とは言っても、そんなに手間はかかりません。材料を一度にお鍋に入れて煮込み、ミキサーを回すだけのお手軽ソースです。フレッシュなトマトの味がそのまま生きる、とびきり美味しい自家製ソースの出来上がりです。ここではミニトマトを使っていますが、もちろん中玉トマトでも大玉トマトでもかまいません。

<材 料>
生のミニトマト・・・1kg
玉ねぎ・・・中1個
にんにく・・・3片
セロリの茎・・・5cm
パセリの茎・・・2本
オリーブオイル・・・大さじ2
塩・・・適量

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<つくり方>

  1. ミニトマトは半分か1/4にカットします。
  2. 材料すべてを鍋に入れ、トマトから水分が出て、玉ねぎやセロリが柔らかくなるまで煮込みます。
  3. 人肌になるまで冷まします。
  4. ミキサーにかけて塩で味を調えて出来上がりです。

レシピ3:バジル&トマトの“ミニミニ”ピザ

バジルソースとトマトソースはどちらかだけでもとっても美味しいお料理ができますが、ここでは両方使って、手軽でおしゃれなお料理に挑戦してみましょう。作ってみるのは、なんと、餃子の皮を使った“ミニミニ”ピザ。2つのソースとフライパン、オリーブオイルさえあればすぐに作れますから、少しおなかが空いたな~というときにとっても便利です。緑と赤の2種類焼けば、色のコントラストがとってもきれい。白いお皿に盛り付ければまさしく“イタリアンカラー”なんです。美味しいだけでなく楽しく盛り上げたいときにもうってつけです。

<材 料>
餃子の皮・・・8枚
オリーブオイル・・・適宜(薄く敷きます)
バジルソース・・・大さじ4
トマトソース・・・大さじ4
溶けるスライスチーズ・・・2枚
お好みで、ミニトマトやしらすなど

<つくり方>

  1. 餃子の皮を1枚ずつお皿などに敷いて、バジルソースやトマトソースをたっぷり塗り、溶けるスライスチーズを1/4に切って乗せます。チーズがお好きな場合は1/2でもかまいません。
  2. 熱したフライパンにオリーブオイルを入れてキッチンペーパーなどで薄くのばしてから、<1>で用意したもの置き、蓋をして中火で焼きます。手間はたったこれだけ。おしゃれなピザの出来上がりです。
  3. お好みでミニトマトをスライスして載せたり、しらすを載せたりしてから焼くと、見違えるほど贅沢な一品に。ぜひお試しください。

おまけレシピ:ミニトマトとクリームチーズのバジルソース和え

今回は、緑、白、赤の3色が可愛い“イタリアンカラー”のお料理をもう一品。ミニトマトとクリームチーズのバジルソース和えです。バジルソースがあれば、ものの数分で出来てしまう優れものサラダです。作り方は説明するまでもないほどカンタン(笑)。ミニトマトとクリームチーズをカットして、バジルソースで和えるだけです。何か一品足りないというときにおすすめです。クリームチーズを冷凍してからカットするとベタベタくっつきません。

<材 料・2人分>
ミニトマト・・・20個程度
クリームチーズ・・・1個(20gくらいのもの)
バジルソース・・・大さじ1

太陽で疲れた土を養生

秋がやってくると、終わりを迎えた夏野菜たちをひとつひとつ抜いていきます。名残惜しい気持ちはありますが、秋冬の野菜をつくるためには畑の場所を空けなくてはいけません。まだ緑の葉が残る野菜たちに向かい心の中で「お疲れさま」「ありがとう」などとつぶやきながら作業をしていきます。
その後の土に堆肥を入れたり、有機肥料を入れたりして鍬で耕すことは、ちょっと野菜づくりをしている人ならご存じかと思います。でも、私たちが、その後に加えているひと手間があります。それは、太陽の熱を使って畑の土を温めてあげること。と言ってもそんなに難しくはありません。耕した土の上に透明マルチというシートをかぶせるようにして上から覆うだけです。あとは太陽が仕事をしてくれます。これは陽熱処理とか太陽熱養生処理などと呼ばれる作業です。私たちも疲れた土をいったん休ませて養生させるイメージでやっています。
シートで覆った土は太陽光をどんどん吸収して60度をはるかに超える高い温度になります。土の中に残っている雑草たちもほとんど枯れてしまいます。それから秋冬野菜たちを植えていけば、雑草に邪魔されずのびのびと育ってくれるというわけです。
実はこの処理、お庭の菜園やベランダのプランターでもとても簡単にできるんです。必要なものは、少し大きめのビニール袋だけ。堆肥・肥料を入れて耕したらビニール袋を風呂敷のように広げて覆うだけ。ベランダで使うプランターも同じ要領です。小さめのプランターなら土を袋に丸ごと入れて日当たりのいいところに置くだけです。簡単ですので、ぜひ試しください。

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